iOS VoiceOver のアクセシビリティイベントオプション

iOS 12.2 でアクセシビリティ設定の「VoiceOver」又は「スイッチコントロール」に新たに「Webサイト」の項目が追加され、「アクセシビリティイベント」のオプションの切り替えが出来る様になっています。
オプションの説明には

アクセシビリティイベントを使用すると、Webサイトでの補助機能の挙動(例: VoiceOver)をカスタマイズできるようになります。アクセシビリティイベントを有効にすると、iPhoneで補助機能がアクティブかどうかが分かる場合があります。
とあります。

これだけでは何の事か良く分かりませんが、これはユーザー側でどうにか出来るものでは無く、Webサイト側でスクリーンリーダー等の支援技術を検知可能にするというものです。
利用方法としては、Webサイトで自動再生される動画を、スクリーンリーダーを検知した場合は手動再生にしたり、スクリーンリーダー用のテキストページにリダイレクトしたりといった事等が考えられます。

ただ、これは実験的なもので、アクセシビリティイベントオプションはこの iOS バージョンに限定して実装されます。

又、この機能を使う為には、新しいWebテクノロジーとして開発が進められている Accessibility Object Model (AOM) をオンにする必要が有ります。
「設定」→「Safari」→「詳細」→「Experimental Features」を選択し「Accessibility Object Model」をオンにします。
この設定はデフォルトでオフになっています。

プライバシーの観点からスクリーンリーダー等の支援技術を使っている事がWebサイト側に知られる事を嫌う人もいるかも知れません。
利用者の障害や個人情報を提供するものではありませんが、気になる場合は「アクセシビリティイベント」をオフにすると良いでしょう。しかし、支援技術用に最適化されたコンテンツの提供を受けられない可能性は有ります。